読書狂時代

ブックレビュアー・はるうがお送りする書評、読書コラム、本に関するアレコレ。

とりあえず全部読むことが目標です【書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト】(書評七福神)

 

 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」を母体とする書評七福神が、10年間のベスト翻訳ミステリーを紹介する。

紹介作品数はなんと520作品!

好みの翻訳ミステリーがきっと見つかる1冊である。

 

 

「書評七福神」のメンバーは以下の通り。

・川出正樹

北上次郎

・酒井貞造

・霜月蒼

杉江松恋

千街晶之

吉野仁

この中での個人の書評などを読んだことがあるのは3人。

川上次郎さん、霜月蒼さん、杉江松恋さんである。

書評を「面白い」という観点から読むのはちょっとおかしいかもしれないけれど、私は書評を読むが大好きなので読ませていただいた書評は全部「面白い!」と思って読んでいる。

 

そもそも「書評」とは、

刊行された本を読者に紹介する目的で論評や感想などを記す文芸評論の形式のこと

なので、基本的には個人の主観が入るし、本だって好みだってあるし、私が面白いと思う本をいくら書評のプロである書評七福神でも面白いと思わないかもしれないし、逆に書評のプロが「これ絶対いい!」と思う本でも私には合わないかもしれない。

 

だがしかし!

「書評七福神」は書評のプロである(しつこい)。

つまり私よりもはるかにたくさんの本を読み、はるかにたくさんの書評を書いておられるわけであって、その本に対する評価は信頼してもいいと思うのだ。

 

なので、この本でおすすめされている計520作品はすべて面白いと言っても過言ではない。

なにより、プロの文章は短くてもその本の魅力は十分に伝わってくるし、ツボをきちんと突いたものになっているので、気になった本は片っ端からメモを取りながら読むがおすすめ。

なんなら、掲載の520作品をすべて読んでいきたいとまで思わせる文章力が、書評のプロの方たちにはある(そこが私の書評とちがうところ……)。

 

最期のまとめで、杉江松恋さんが、

われわれは「翻訳ミステリー春の時代」を生きている

と言っている。

私自身も国内の本ばかり読んでいた時期があったけれど、今はどちらかというと翻訳ものの比重が大きい。

実は翻訳ものを読むのは少しコツがいる。

でもいちばんは「たくさん読んで慣れる」こと。

 

「翻訳ミステリー春の時代」を生きているということは、豊富な選択肢が目の前にあるということである。

だからこそ、選びに選んで自分好みの翻訳ミステリーを読んでいけばいいのだ。

 

迷ったら、ぜひこちらの本を参考に!

 

 

はるう