読書狂時代

ブックレビュアー・はるうがお送りする書評、読書コラム、本に関するアレコレ。

殺人七不思議(ポール・アルテ)ポップ風書評

殺人七不思議

ぜひとも「うっせぇわ」(Ado)を聴きながら【殺人七不思議】(ポール・アルテ)

殺人七不思議 (名探偵「オーウェン・バーンズ」シリーズ) 作者:アルテ,ポール 行舟文化 Amazon 「わたしを愛しているなら人を殺してみせて。美しい連続殺人事件を」 謎の手紙を受け取った名探偵オーウェン・バーンズと相棒のアキレス。 世界の七不思議の添っ…

赫眼(三津田信三)ポップ風書評

赫眼

あやかしの裏通り(ポール・アルテ)ポップ風書評

あやかしの裏通り

「あなたの元にも」がダメなら無理【赫眼】(三津田信三)

赫眼 (光文社文庫) 作者:三津田 信三 光文社 Amazon 小学生とは思えない美貌と色香の転校生・目童たかりの恐るべき正体。 作家の夜中にかかってきた奇妙な電話の背筋の凍る顛末。 合わせ鏡の中を見すぎてしまった男のその後とは? 三津田信三初のホラー短編…

過去と現在を繋ぐのはやっぱり痴情のもつれ【金時計】(ポール・アルテ)

金時計 名探偵オーウェン・バーンズシリーズ 作者:ポール・アルテ,平岡敦 行舟文化 Amazon 1911年。 雪に閉ざされた森の中で見つかった女性実業家の遺体。 彼女の周りには発見者と自身の足跡しかなく……。 果たして彼女は他殺なのか?奇妙な自殺なのか? オー…

迷い込んだ先にあるのがこの真相!?【あやかしの裏通り】(ポール・アルテ)

あやかしの裏通り 名探偵オーウェン・バーンズシリーズ 作者:ポール・アルテ,平岡敦 行舟文化 Amazon ロンドンのどこかにあり、奇妙な光景を目撃したあとに忽然と消えてしまうという「あやかしの裏通り」。 そこで奇妙な体験をしたという人物が、名探偵であ…

あなたはどの王家がお好き?〈名画で読み解くシリーズまとめ〉

〈名画で読み解くシリーズ〉とは「怖い絵シリーズ」でおなじみの中野京子さんが、王家にまつわる名画とともその王家の歴史について語った本のことである。 ……言うと、なんだか堅苦しい本のような気もするかもしれないけれど、まったくそんなことはない! 王…

とりあえず全部読むことが目標です【書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト】(書評七福神)

書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト2011-2020 書肆侃侃房 Amazon 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」を母体とする書評七福神が、10年間のベスト翻訳ミステリーを紹介する。 紹介作品数はなんと520作品! 好みの翻訳ミステリーがきっと見…

今なおも続いていて、そしてこれからも【名画で読み解く イギリス王家12の物語】(中野京子)

名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書) 作者:中野 京子 光文社 Amazon 女傑が生まれ、王朝が変わるごとに名前を変え、そしていまだに大国として王族が存在し続けるのは、イギリスだけである。 興味のつきない歴史を繰り返すそのイギリスの物語と…

華やかに軽やかに破滅【名画で読み解く ブルボン王朝12の物語】(中野京子)

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書) 作者:中野京子 光文社 Amazon ヨーロッパの名門中の名門。 そして華やかなヴェルサイユ宮殿やロココ式など生んだ、ブルボン王朝。 彼らはいかに栄え、そして滅んでいったのか。 名画で読み解くシリーズ「…

酔いしれよこの世界に【幻想と怪奇1 ヴィクトリアン・ワンダーランド 英国奇想博覧会】

幻想と怪奇 1 ヴィクトリアン・ワンダーランド 英國奇想博覧會 新紀元社 Amazon 「幻想と怪奇」(1973~1974年)が45年の時を経て復活する! 海外幻想文学を紹介する幻想文学の専門誌の第1号のテーマは「ヴィクトリアン・ワンダーランド 英国奇想博覧会」。 …

活字で読むバイオハザード!【死人街道】(ジョー・R・ランズデール)

死人街道 作者:ジョー・R・ランズデール 新紀元社 Amazon メーサー牧師がぶっ放す銃は悪は退治する。 彼の行動は神のご加護か? それとも、主からの罰か? 血湧き肉踊る西部劇ホラー! 最近、バイオハザードの新しいゲームが発売されましたね。 YouTubeでゲ…

あっけない幕切れの王朝【名画で読み解く ロマノフ家12の物語】(中野京子)

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書) 作者:中野 京子 光文社 Amazon 絶対君主制、女帝、苛烈な拷問や処罰、処刑、そして、戦争。 300年もの間続いたロマノフ王朝の歴史と、そのあっけない幕切れを名画とともに読み解く人気シリーズ! どうやら…

まさに雲をつかむような話【雲】(エリック・マコーマック)

雲 (海外文学セレクション) 作者:エリック・マコーマック 東京創元社 Amazon 仕事で訪れたメキシコ。 雨宿りのためにたまたま入った古書店で見つけた一冊の奇妙な「雲」について書かれた本。 その本がハリーの運命を大きく変えることになる……。 帯に、 古書…

取っ払え合理主義【生霊の如き重なるもの】(三津田信三)

生霊の如き重るもの (講談社文庫) 作者:三津田信三 講談社 Amazon 雪の中をひとりでに歩く下駄、竹藪に消えた子供たち、屍蝋となった教祖が裏切者を襲い、ドッペルゲンガーが現れると死ぬ当主、幼いころ空き地に消えた友達。 学生時代の刀城言耶が解き明かす…

5月の読んだ本のまとめ【転換期を迎えた5月】

5月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1373ナイス数:52異形のものたち: 絵画のなかの「怪」を読む (NHK出版新書 651)の感想西洋絵画に描かれた「異形」について、丁寧に、それでいて描かれた背景なども優しく解説にしてくれる。中野京子さんの…

スキャンダルは一先ず置いておいて【名画で読み解く プロイセン王家12の物語】(中野京子)

名画で読み解く プロイセン王家 12の物語 (光文社新書) 作者:中野 京子 光文社 Amazon 長い群雄割拠の時代を経て、19世紀、プロイセンのホーエンツォレルン家はついにドイツを統一し、帝国を形成してヨーロッパ最強国の一角に食い込んだ。 名画とともに読み…

「死ぬ」ということが「必要」である【生物はなぜ死ぬのか】(小林武彦)

生物はなぜ死ぬのか (講談社現代新書) 作者:小林武彦 講談社 Amazon 遺伝子に組み込まれた「死のプログラム」とは? 死生観が一変する、現代人のための生物学入門。 すべの生き物は「死ぬために」生まれてくる。 この本は、倫理的なことや哲学的などを抜きに…

BOOK NEWSLETTER vo.1とデザイン書評について

ニュースレター こんな本のニュースレターも作っていく予定です。 こちらは先月のもの。 デザイン書評など、見た目にも楽しい本の紹介ができたらな、といろいろ読書の企画など考え中です。 こんなデザイン書評や、 こんなものを作っています。 表紙を使った…

もう見えなくなった「もの」たち【異形のものたち:絵画の中の「怪」を読む】(中野京子)

異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む (NHK出版新書) 作者:中野 京子 NHK出版 Amazon 我々は、何に魅入られ何を恐れてきたのか? 人獣、モンスター、天使、悪魔、魑魅魍魎まで。 その絵画に込められた「異形」の意味とは? 「怖い絵」の作者が人間の…